3Dプリンターは何が作れる? 初心者でも作れるものを用途別に紹介

クリエーターPC

「3Dプリンターを買ったら、何を作ればいいの?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。3Dプリンターというと、フィギュアや模型を思い浮かべるかもしれませんが、実際には日用品や収納用品、カメラパーツ、PCパーツ、修理用の部品など、さまざまなものを作れます。

特に面白いのは、市販品ではサイズが合わなかったり、そもそも販売されていなかったりするものを、自分の用途に合わせて作れることです。

ただし、作りたいものによって必要な造形サイズやフィラメント、プリンターの性能は変わります。この記事では、3Dプリンターで作れるものと、用途に合わせて確認したいポイントを紹介します。

3Dプリンターで作れるものは大きく分けて6種類

3Dプリンターでは、フィギュアや模型だけでなく、日用品やオリジナルパーツ、修理部品など、さまざまなものを作れます。

初心者がイメージしやすいように、3Dプリンターで作れるものを6種類に分けてみました。

ジャンル 3Dプリンター作れるものの代表例
日用品 スタンド、フック、収納、ケース類
オリジナルパーツ マウント、ブラケット、スペーサー類
修理・交換部品 ノブ、キャップ、カバー
DIY・治具 固定具、位置決め治具、工具ホルダー
趣味・ホビー フィギュア、模型、ミニチュア、おもちゃ​
試作品・オリジナル製品 試作品、ケース、機器の外装など

この中でも、3Dプリンターならではの面白さを感じやすいのが、既製品では見つからないものを自分で作る使い方です。

3Dデータを自分で作れなくても大丈夫

「3Dプリンターを使ってみたいけれど、3Dデータを作る知識がない」と心配する必要はありません。

Bambu Labでは、公式の「MakerWorld」でユーザーが利用できる3Dデータが公開されており、作りたいもののデータを探してダウンロードできます。対応するプリンターやフィラメント、印刷設定などを確認したうえで、そのまま印刷できるデータもあります。

最初から3D CADなどを勉強して、オリジナルデータを作る必要はありません。まずは公開されているデータを使って印刷を体験し、慣れてきたら「ここをもう少し大きくしたい」「自分の用途に合わせて形を変えたい」と、自分でCADデータを作るステップへ進むこともできます。

3Dプリンターは「こんなものが欲しい」を形にできるツール

3Dプリンターの魅力は、既製品を作ることだけではありません。「こんなものが欲しいけど売っていない」「サイズが合わない」といった小さな不満も、自分に合わせた形にできます。

1:市販品ではサイズが合わないものを3Dプリンターで独自制作

3Dプリンターなら、市販品ではサイズが合わないものも、自分の使う場所に合わせて作れます。たとえば、スマホスタンドやケーブルホルダー、収納トレー、引き出しの仕切りなどは、置きたい場所の幅や高さを測って設計できます。

  • スマホスタンド
  • ケーブルホルダー
  • 収納トレー
  • 引き出しの仕切り
  • SDカードケース
  • 特殊サイズのケース

SDカードケースや特殊なサイズのケースなど、「ちょうどいい大きさの製品が見つからない」という場面でも便利です。

既製品に自分の環境を合わせるのではなく、自分の環境に合わせて形やサイズを決められることが、3Dプリンターならではのメリットです。小さな部品でも、自分にとって使いやすい形にできれば、日常のちょっとした不便を解消できます。

2:市販されていないパーツを独自制作

3Dプリンターが特に便利なのが、市販品では見つからないパーツを自分で作れることです。カメラマウントやブラケット、アダプター、スペーサー、変換プレートなど、用途に合わせた形状の部品を制作できます。

  • カメラマウント
  • ブラケット
  • アダプター
  • スペーサー
  • 変換プレート
  • PCケース用パーツ
  • ケーブル固定パーツ

たとえば、カメラや撮影機材を固定するためのパーツや、PCケースに取り付けるオリジナルパーツなども、必要な寸法に合わせて設計できます。ケーブル固定パーツのような小さな部品も、既製品を探し回る必要がありません。

「欲しいものが売っていない」という状況を、「必要な形を自分で作る」に変えられるのが3Dプリンターの大きな魅力です。

ブログ管理人が3Dプリンターを導入しようと思ったきっかけ

ブログ管理人が3Dプリンターに興味を持ったきっかけは、「市販品では見つからないパーツを作りたい」というものでした。

  • 鳥撮影用ドットサイトの取り付け用のカスタム部品
  • アルカスイス規格のカスタム部品
  • NATOレール規格のカスタム部品
  • PCケースの電動ファン固定部品
  • SFX電源用のカスタムブラケット

野鳥を撮影するときに使うカメラにドットサイトを取り付けたいと思ったのですが、手持ちの機材を組み合わせるためのパーツがなかなか見つかりませんでした。

アルカスイス規格のブラケットやNATOレールなど、既存の規格を組み合わせれば実現できそうなのに、必要な変換パーツがAmazonで販売されていない。それだったら「3Dプリンターを導入すれば作れるのでは?」と考えました。

ほかにも、PCケースに200mmファンを取り付けるためのカスタム固定部品や、SFX電源用のブラケットの制作など、既製品では対応しにくい部品を自分で作れば、思い描いたカスタムが実現するのでは?と考えるようになりました。

ブログ管理人の場合、フィギュアを作りたいから3Dプリンターを検討しているわけではありません。「欲しい部品が売っていない」という問題を解決するために、3Dプリンターに興味を持ちました。

3Dプリンターがあれば壊れた部品や入手困難なパーツを作れる!

製品そのものはまだ使えるのに、「部品の破損・紛失・入手困難」などが原因で、使えなくなることがあります。古い製品では修理部品が絶版になり、入手できない場合もあります。

3Dプリンターなら、元の部品を参考にして、ノブやキャップ、カバー、クリップなどの小さなパーツを作れる可能性があります。壊れたものを丸ごと買い替えるのではなく、必要な部品だけを作るという使い方もできます。

交換部品がなくて使えなくなったもの修復

3Dプリンターなら、形状や寸法を合わせて、ノブやキャップ、カバーなどのパーツを作れる場合があります。

  • ノブ
  • キャップ
  • カバー
  • クリップ
  • スペーサー
  • ジョイント

ただし、元の部品と同じ素材や強度を再現できるとは限りません。力がかかる部品や安全に関わる部品では、3Dプリント品に置き換えて問題ないかを確認する必要があります。

3Dプリンターは趣味・ホビーのものも作れる

3Dプリンターと聞いて、フィギュアや模型を思い浮かべる人も多いでしょう。実際に、フィギュアやミニチュア、模型、おもちゃなど、趣味で楽しめるものも作れます。

フィギュア・模型・ミニチュア

人物やキャラクターのフィギュア、建物や乗り物の模型、ジオラマ用の小物など、細かな形状を持つ作品を作ることができます。

ただし、プリンターの方式によって得意分野は異なります。FDM方式は比較的扱いやすく、実用品や大きめの造形物に向いています。一方、光造形方式は細かな形状を再現しやすく、フィギュアなどに使われることがあります。

オリジナル作品

オリジナルの小物など、自分で考えた形を作品にできるのも3Dプリンターの楽しみ方です。

既存の3Dデータを印刷するだけでなく、設計ソフトなどを使って自分でデータを作れば、「欲しいものを考えるところ」から楽しめます。

3Dプリンターなら何でも作れるわけではない

3Dプリンターは、データがあれば何でも作れる魔法の機械ではありません。プリンターごとに造形できるサイズや対応する素材が異なり、作りたいものによっては分割して印刷する必要もあります。

また、サイズ的に制作できても、フィラメントの強度や耐熱性などの面から、実際の用途には向かない場合があります。特に金属部品の代用などでは、強度や耐久性を十分に検討する必要があります。

大きすぎるものは分割造形が必要になる

3Dプリンターは、どんな大きさのものでも一度に作れるわけではありません。家庭向けの機種では造形できる範囲が決まっており、たとえばBambu LabのA1 miniは、造形サイズが180×180×180mm以内に制限されます。

これを超えるサイズのものを作りたい場合は、分割して印刷してから組み立てる方法もあります。

ただし、大型の作品になるほど、分割数が増えて接着や組み立ての手間も大きくなります。さらに、造形時間やフィラメントの使用量も増えるため、家庭用3Dプリンターでは現実的ではないケースもあります。

「作りたいものの大きさ」が決まっているなら、購入前に必要な造形サイズを確認しておくことが大切です。

3Dプリンターは高温になる場所で使う部品に注意が必要

3Dプリンターで印刷したものを、高温になる場所で使う場合は、フィラメントの特性に注意が必要です。見た目はきれいに完成していても、素材によって耐熱性が異なるため、熱が加わると変形してしまうことがあります。

代表的なフィラメントには、次のようなものがあります。

  • PLA
  • PETG
  • ABS
  • ASA
  • PC
  • PA
  • CF/GF強化材

フィラメントには熱に強い・弱いものがある

3Dプリンターの材料になるフィラメントには、さまざまな材質やカラーが用意されています。たとえば、扱いやすく初心者向けのPLAは、比較的低い温度で軟化しやすい反面、高温になる場所での使用には不向きな特性があります。

PETGはPLAより耐熱性が高く、ABSやASAはさらに高い温度環境で使用されることがあります。さらに、PC(ポリカーボネート)やPA(ナイロン)など、より高い耐熱性が求められる用途に使われるフィラメントもあります。

ただし、これらの素材をすべての3Dプリンターで使用できるわけではありません。耐熱性の高いフィラメントは、プリンター側にも高いノズル温度やヒートベッド、場合によってはチャンバー構造などが求められるからです。

購入前には、プリンター本体が使いたいフィラメントに対応していることを確認する必要があります。

3Dプリンターは大きな力がかかる部品に注意が必要

3Dプリンターで作った部品は、見た目がしっかりしていても、必ずしも大きな力に耐えられるとは限りません。人の体重を支える部品や強い荷重がかかるブラケット、繰り返し力が加わる可動部品なども注意が必要です。

たとえば、次のような用途では慎重な判断が必要です。

  • 人の体重を支える部品
  • 車両部品
  • 高温部の部品
  • 回転部の部品
  • 安全装置の部品

3Dプリント品の強度は、フィラメントの種類だけでなく、積層方向や充填率、造形条件、部品の形状によっても変わります。同じ素材でも、設計や印刷方法によって強度に差が出ることがあります。

「印刷できたから、そのまま使える」と考えるのではなく、用途に必要な強度を満たし、安全性を確保できることが大切です。安全に関わる部品は慎重に判断しましょう。

作りたいものが決まると、必要な3Dプリンターも変わる

3Dプリンターは、価格や人気だけで選べばよいわけではありません。作りたいものによって、必要な造形サイズや対応フィラメント、求められる精度や強度が変わるからです。

たとえば、小さな日用品ならコンパクトな機種でも十分ですが、大型パーツや高い耐熱性が必要な部品では、より大きな造形サイズや対応素材の多い機種が必要になります。

まず「何を作りたいのか」を決めることが、3Dプリンター選びの第一歩です。

作りたいもの 注目するポイント
小物・収納 造形サイズ・扱いやすさ
カメラパーツ 寸法精度・強度・対応素材
PCパーツ 造形サイズ・耐熱性・対応素材
治具 強度・寸法精度・対応素材
フィギュア 細部の再現性・表面品質
大型模型 造形サイズ・分割のしやすさ
ABS/ASA部品 対応素材・チャンバー・造形環境

このように、作りたいものによって3Dプリンター選びで確認するポイントは変わります。

小物を中心に作るなら扱いやすさを重視できますが、カメラパーツや治具なら強度や寸法精度も重要です。ABSやASAなどを使いたい場合は、ノズルの対応、チャンバーの有無なども確認する必要があります。

「人気の機種だから」「価格が安いから」ではなく、まず作りたいものを具体的に考えることが、後悔しないプリンター選びにつながります。

まとめ

3Dプリンターで作れるものは、フィギュアや模型だけではありません。スマホスタンドや収納用品などの日用品、市販されていないカメラパーツやPCパーツ、壊れた部品の代用品、DIY用の治具など、アイデア次第でさまざまなものを形にできます。

3Dプリンターの面白さは、既製品をそのまま再現することではなく「自分に必要な形」を作れることです。サイズが合わない、市販されていない、部品だけ欲しいといった不便を、自分で解決できる可能性があります。

一方で、造形できるサイズや対応するフィラメントには機種ごとの違いがあります。大きなものや高い耐熱性が必要な部品など、用途によってはプリンター選びも変わります。

3Dプリンターを選ぶときは、価格や人気だけを見るのではなく、まず「自分は何を作りたいのか」を考えてみましょう。作りたいものが決まれば、必要な造形サイズや素材、性能も見えてきます。

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