エントリー構成では、予算15万円程度でPhotoshopの基本操作や2000万画素のRAW現像を快適に行えるPCを提案。Ryzen 5 5600XやRTX 4060を採用し、軽いエフェクト処理にも対応します。
ミドル構成は予算約25万円で、4000~6000万画素の画像や複雑な合成に対応する高性能PCを紹介。Ryzen 7 7700XやRTX 4070 SUPERを搭載し、長期間使用可能に。
ハイエンド構成では、約40万円の予算で、4K動画編集やAIノイズ除去も快適な最上級スペックを提案し、高解像度の画像編集を実現します。
用途や予算に応じた最適な選択肢から、自分に合った仕様を選択できます。
Photoshop特化型PCのエントリークラス構成(コスパ重視)
エントリークラス構成の目標
- おもに2000万画素のRAW現像や画像編集や軽いエフェクト処理を快適にこなせる
- AIノイズ除去を実用的な速度で処理できる
- 画像編集と併用してフルHD動画編集もおこなう
CPUは2世代前の製品を選び、コストを抑えています。そのため、CPU交換によるカスタマイズは制限されます。
CPU:AMD Ryzen 5 5600X(6コア/12スレッド)またはRyzen 7 5700X(8コア/16スレッド)
旧世代のCPUながら高いシングルスレッド性能を持つRyzen 5 5600Xは、Photoshopでの基本的な操作や2000万画素程度の画像編集において非常に優れた性能を発揮します。
写真編集のほか、動画編集もおこなう場合は、Ryzen 7 5700Xを選択すると良いと思います。
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4060(8GB VRAM)
GPU支援のエフェクトやAI処理(ノイズ除去、ぼかし、シャープ化など)の高速化に対応。2000万画素の画像でも十分な性能を持ち、Photoshopでの作業をスムーズに行えます。
メモリ:16GB DDR4(3200MHz)
16GBのメモリは、複数レイヤーや軽いエフェクト処理を扱うには十分な容量です。2000万画素のRAW現像でも快適に動作します。
ストレージ:500GB NVMe SSD(PCIe Gen3)
高速なNVMe SSDを搭載し、Photoshopでのファイル読み書きやキャッシュ管理がスムーズに行えます。容量は500GBでも問題なく、大部分の作業をサポートします。
価格の目安:約15万円程度
この構成は、2000万画素の画像編集や軽いエフェクト処理を快適にこなせる性能を持ちつつ、コストを抑えたバランスの良い構成です。
エントリークラス構成案のまとめ
この構成は、特に2000万画素程度の画像編集を多く行うクリエーター向けに最適です。さらに、GPUのRTX 4060により、GPU支援のエフェクトやAI処理の高速化も可能になり、作業効率が大きく向上します。
価格も約15万円程度に収まるため、予算を抑えつつも必要な性能をしっかりと確保できる構成です。
Photoshop特化型PCのミドルクラス構成(速度&長期間使用向け)
ミドルクラス構成案の目標
- おもに4000~6000万画素のRAW現像や画像編集や本格的なエフェクト処理を快適にこなせる
- AIノイズ除去を高速処理できる
- マザーボードにAM5ソケットを選択し、CPU交換による長期運用を考慮
- 画像編集と併用して本格的な4K動画編集もおこなう
ミドル構成は、4000万画素以上の大きな画像や複雑なレイヤー、エフェクトを使う場合に非常に効果的な構成です。長期間使用できるように現行CPUソケットを選択し、パフォーマンスのバランスが取れた部品を選定しています。
CPU:AMD Ryzen 7 7700X(8コア/16スレッド)
効果: 高いマルチスレッド性能が、複数のエフェクト適用やレイヤー編集時の高速化を実現。これにより、複雑な合成や高解像度画像の処理も快適に行えます。
理由: 8コア/16スレッドで、動画編集や大規模な画像編集に求められる処理能力を十分にカバーします。長期間の使用に耐えるパフォーマンスを提供します。
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER
効果: 高いGPUパフォーマンスにより、AI支援系エフェクト(ノイズ除去やぼかしなど)が大幅に高速化されます。さらに、高解像度画像のレンダリングやGPU支援エフェクトの処理がスムーズに行えます。
理由: RTX 4070は、VRAM 8GB以上で複雑なエフェクトをこなせるため、長期間にわたって重宝します。
メモリ:32GB DDR5
効果: 大容量メモリにより、複数レイヤーを使用した編集でも動作が安定します。32GBにより、大きな画像データや複雑な作業もスムーズに処理できます。
理由: Photoshopではメモリが足りないと、作業が遅くなりがちです。32GBのDDR5メモリで、快適な作業環境を維持できます。
ストレージ:1TB NVMe SSD(PCIe Gen3以上)
効果: 高速な読み書き速度により、大きなファイルの開閉が迅速に行え、作業の効率が向上します。特に、Photoshopのキャッシュファイルの処理や保存時に効果を発揮します。
理由: 1TBの容量で、大きな画像や複数のプロジェクトファイルを保存できます。PCIe Gen3のNVMe SSDは、高速かつ信頼性の高いストレージソリューションです。
価格の目安:約25万円程度
この構成で、約25万円という価格帯で、長期間快適に使えるパフォーマンスを提供します。複雑な合成や高解像度の画像編集においても、ストレスなく作業を進められる能力を有しています。
ミドルクラス構成案のまとめ
このミドル構成は、**4000~6000万画素の画像や複雑なレイヤー処理**において非常に有効で、長期間使用できる耐久性を兼ね備えています。優れたマルチスレッド性能を持つCPU、高いGPUパフォーマンス、十分なメモリ容量と高速ストレージの組み合わせで、Photoshopの作業が快適に行えます。
ミドルクラスのカスタム案
カスタム案1:GPU強化としてRTX 4070 Ti SUPER化
●メリット
RTX 4070 Ti SUPERは、RTX 4070よりも高いCUDAコア数や性能を持っており、GPU支援エフェクト(AIノイズ除去やぼかしなど)の処理がさらに高速化されます。
高解像度の画像編集、特に複雑なエフェクト処理や大規模なプロジェクトでのパフォーマンス向上が期待できます。
●効果
Photoshopでの画像編集、レンダリング、特にGPU支援のエフェクトを処理する際に、明らかなパフォーマンス向上が見込まれます。
VRAMの容量増加(通常12GB→16GBまたはそれ以上)によって、メモリ不足が解消され、大きな画像や複数レイヤーを使った編集でも安定性が増します。
カスタム案2:USBポートの高速化
●メリット
高速USBポート(USB 3.2 Gen 2×2、Thunderbolt 4など)を活用することで、外部ストレージや周辺機器(グラフィックタブレット、外部ハードディスク、SDカードリーダーなど)のデータ転送速度が向上します。
高速データ転送により、作業中のデバイスの読み書きがスムーズになり、作業効率が大きく改善されます。
●効果
外部ストレージのデータ読み込み速度や保存速度が向上し、特に大きな画像ファイルを扱う際にスムーズなアクセスが可能になります。
Photoshopでのファイルの保存・読み込み、バックアップ、プラグインのインストール時の時間短縮が期待できます。
カスタム案3:メインストレージのGen4化(PCIe Gen4 NVMe SSD)
●メリット
PCIe Gen4対応のNVMe SSDにアップグレードすることで、ストレージの読み書き速度が大幅に向上します。特に大容量ファイルの読み込みや書き込みがより高速になります。
大きなプロジェクトや大量のキャッシュを扱う際に、パフォーマンスが劇的に向上します。
●効果
Photoshopのキャッシュファイルやプロジェクトファイルを素早く読み書きでき、作業中の遅延が減少します。
高速なストレージにより、ファイルの開閉や処理速度が向上し、特に高解像度の画像や複数レイヤーを使用した編集での効率が向上します。
ミドルクラスカスタム案のまとめ
このカスタム案は、GPU性能の強化(RTX 4070 Ti SUPER化)により、特にGPU支援エフェクトの高速化や高解像度画像のレンダリングに強力な効果を発揮します。
次に、USBポートの高速化により、外部デバイスとのデータ転送がスムーズになり、作業効率が改善されます。そして、ストレージのGen4化により、大容量ファイルの処理速度が向上し、全体的な作業が快適になります。
これにより、複雑な合成や大規模な画像編集作業がさらに快適になり、長期的にも非常に使いやすい構成になります。
Photoshop特化型PCのハイエンドクラス構成案 (ロマン重視)
ハイエンドクラス構成案の目標
AIノイズ除去を使ったRAW現像を常用し、4000~6000万画素や複雑な合成を高速におこなう。画像編集と併用して4K動画編集もおこなう。
Photoshop特化型PCのハイエンド構成は、4000万画素以上の大きな画像や複雑なレイヤー、エフェクトを使う場合に非常に効果的な構成です。
長期間使用できるように、パフォーマンスのバランスが取れた部品を選定しています。
- CPU: AMD Ryzen 7 9800X3D(8コア/12スレッド、シングルスレッド性能強化)
- GPU: NVIDIA GeForce RTX 4080
- メモリ: 64GB DDR5(5600MHz)
- ストレージ: 1TB NVMe SSD(PCIe Gen4)
- 価格感: 約40万円程度
CPU:AMD Ryzen 7 9800X3D
シングルスレッド性能が非常に高く、Photoshopでの処理速度が飛躍的に向上します。
複雑なエフェクト処理や大規模なプロジェクトの作業においても、迅速なレスポンスを提供します。
画像編集やレイヤー操作がスムーズになり、処理時間の短縮が実現されます。
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4080
RTX 4080は、GPU支援のエフェクトや4K動画編集にも対応できる高性能なグラフィックスカードです。
AI支援による画像処理、ノイズ除去やぼかしなどの高速化に加えて、4K以上の解像度でもスムーズな編集が可能です。
メモリ:64GB DDR5
64GB DDR5は、非常に大容量であり、複雑な合成や多レイヤーでの作業を問題なくサポートします。Photoshopだけでなく、大規模なプロジェクトや動画編集にも最適です。
速度面でも、5600MHzの高速メモリが作業の効率化を図ります。
ストレージ:1TB NVMe SSD(PCIe Gen4)以上
PCIe Gen4のNVMe SSDは、非常に高速なデータ転送を実現し、大容量のファイルでもスムーズな読み書きが可能です。
Photoshopのキャッシュや大量の画像ファイルの処理を高速化します。さらに、4K動画編集にも十分なストレージ速度を提供します。
価格の目安:約40万円程度
この構成は、約40万円という価格帯で、業務レベルの作業内容を長期間快適に使えるパフォーマンスを提供します。
プラグインソフトを併用した複雑な合成や高解像度の画像編集においても、ストレスなく作業を進められる能力を有しています。
ハイエンドクラス構成案のまとめ
このハイエンド構成は、Photoshopにおいてはオーバースペックですが、非常に高いシングルスレッド性能を誇るAMD Ryzen 7 9800X3Dと強力なRTX 4080によって、画像編集やエフェクト処理が最速レベルに達します。
さらに、64GBのDDR5メモリとPCIe Gen4 SSDにより、大容量データの処理や4K動画編集も問題なくこなせます。
この構成は、Photoshopだけでなく、4K動画編集や将来的な性能要求にも対応できるため、長期間にわたって快適な作業環境を提供します。
ハイエンドクラスのカスタム案
カスタム案1:USBポートの高速化
USBポートの高速化のメリットと効果を下記にまとめました。
1. データ転送速度の向上
USBポートの高速化により、外部ストレージや周辺機器とのデータ転送が格段に速くなります。4K動画編集や大量の高解像度画像ファイルを取り扱う場合、作業効率が向上します。
USB 3.2 Gen 2×2やThunderbolt 4(USB4)に対応したマザーボードを選ぶことで、最大20Gbpや40Gbpsの転送速度を実現し、大容量ファイルのコピーや読み込みが非常にスムーズになります。
2. 外部デバイスとの連携強化
高速なUSBポートは、外部ディスプレイ、グラフィックタブレット、バックアップ用のSSD、さらには高性能の外部GPUなど、さまざまな周辺機器とよりスムーズに連携できます。
例えば、Wacomのペンタブレットを使用している場合、そのレスポンスが高速化し、作業が快適になります。
3. 周辺機器の多様化と効率化
高速USBポートを搭載することで、複数のデバイスを同時に接続してもパフォーマンス低下を心配せずに作業を行うことができます。
これにより、複数のストレージやデバイスを活用して、作業の効率化や並行処理が可能となります。
4. 将来の拡張性
高速USBポート(例えばUSB 3.2 Gen 2×2やUSB4)を装備することは、将来的な拡張性を考慮する上で重要です。
新しい外部デバイスや機器が登場する際、これらの高速ポートに対応することで、最新技術に遅れを取らずに対応できます。
5. 安定した高速接続
特に大量データをやりとりする場合、高速なUSBポートは転送中のデータ損失や遅延を防ぎ、高画素数画像や動画編集の作業時にストレスフリーで作業を続けられます。
ハイエンドクラスのカスタム案でUSBポートの高速化を優先することで、データ転送速度の向上、周辺機器との連携強化、作業効率の向上が期待できます。
4K動画編集や大容量ファイルの読み込み、さらには複数の外部デバイスを同時に接続する必要がある場面で、作業をスムーズかつ高速に進められるため、作業のストレスを大幅に軽減することができます。また、将来の拡張性も考慮した選択となります。
カスタム案2:M.2 SSDのマザーボード追加
M.2 SSDのマザーボード追加のメリットと効果
1. スワップ領域の高速化
マザーボードにM.2 SSDを追加して、起動ドライブとは別にスワップ領域として使用することで、Photoshopやその他のアプリケーションが使用する仮想メモリの速度が向上します。
メモリ容量が不足している場合や、複数の高画素数画像や重いエフェクトを扱う時に、スワップ領域が頻繁に使用されます。これを高速な専用M.2 SSDに設定することで、速度低下を防ぎ、作業効率を大幅に改善できます。
2. アクセス速度の向上
M.2 SSDは従来のSATA接続のSSDよりもデータ転送速度が圧倒的に速いため、スワップ領域として利用する際も、従来のストレージを使用する場合と比較して格段にスムーズに動作します。
これにより、Photoshopでの処理待機時間が短縮され、快適な作業環境を提供します。
3. ストレージの負担分散
起動ドライブを含むシステム用のSSDと、データやスワップ領域を分けることで、1つのドライブに過度の負担をかけずに安定したパフォーマンスを維持できます。
複数のアプリケーションやブラウザを同時に開いている際に、ストレージの負荷を分散させることで、パフォーマンス低下のリスクを軽減できます。
4. システム全体のパフォーマンス向上
M.2 SSDを追加することは、全体的なシステムパフォーマンスにも好影響を与えます。
Photoshopのようなメモリ集約型アプリケーションでは、スワップ領域が高速であれば、全体的なレスポンスの向上が期待でき、作業の遅延やストレスが減少します。
5. 長期的な安定性
スワップ領域にM.2 SSDを使用することで、HDDやSATA SSDよりも安定したアクセス速度を提供でき、ストレージ全体の寿命やパフォーマンスを長期的に維持することができます。
これにより、作業環境が長期間快適に保たれるため、作業の効率も向上します。
M.2 SSDの追加は、スワップ領域の高速化に大きく貢献し、Photoshopのような重いアプリケーションのパフォーマンスを向上させます。これにより、データ転送速度の向上やストレージ負担の分散が可能となり、作業効率が大幅に改善されます。特に、複数の高画素数の画像や複雑なエフェクト処理を行う場合に、システムのパフォーマンスを維持するための重要なカスタム案です。
まとめ
Photoshop向けのPCを選ぶ際は、作業内容に応じたバランスの取れた構成が重要です。
軽い編集ならエントリー構成で十分ですが、RAW現像や多層レイヤーの編集にはミドルクラス以上がおすすめです。
プロや高解像度素材を扱う場合、ハイエンド構成が最適です。CPUはコア数とクロックのバランス、メモリは16GB以上を推奨。ストレージはSSDをメインに、HDDを補助に利用すると効率的です。
GPUは3D作業やAI機能活用時に性能差が現れます。価格と性能のバランスを考慮し、将来のアップグレードも視野に入れた選択がポイントです。
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