3Dプリンターを選ぶとき、価格や印刷速度に目が行きがちですが、初心者が意外と見落としやすいのが「造形サイズ」です。
紙のプリンターにA4対応やA3対応があるように、3Dプリンターにも一度に造形できる大きさの違いがあります。ただし、3Dプリンターでは平面の大きさだけでなく「高さ」も重要です。
たとえばBambu Lab製品には、造形サイズが180×180×180mmの小型機から、1辺256mm前後の中型機、1辺300mmを超える大型機まであります。同じメーカーの製品でも、製品サイズごとに造作物の最大サイズは大きく異なります。
このブログ記事では、人気のBambu Labの製品を例に、3Dプリンターの造形サイズを小型・中型・大型に分けて紹介します。まずは、それぞれでどのくらいのものを作れるのかを見ていきましょう。
3Dプリンターは製品により造形できるサイズが異なる
3Dプリンターは、製品によって一度に造形できる大きさが異なります。
紙のプリンターを例にすると、A4対応機とA3対応機では、一度に印刷できる用紙の大きさが違います。3Dプリンターもこれと似ていますが、紙のプリンターと決定的に異なる点があります。それは、3Dプリンター選びにおいて「高さ」も考える必要があることです。
3Dプリンターの造形サイズは、一般的に「幅×奥行き×高さ」で表記されます。
Bambu LabのA1 miniなら180×180×180mm。これは、最大で幅180mm、奥行き180mm、高さ180mmまでの立体物を造形できるということを意味します。
ここでは、Bambu Lab製品を造形サイズを参考に「小型・中型・大型」の3クラスに分けて考えてみます。おおよそ、A1 miniは小型クラス、A1などは中型クラス、A2LやH2Sなどは大型クラスの代表例として分類できます。
同じ3Dプリンターでも、作れるものの大きさは製品によって違います。価格や機能だけでなく、「何mmくらいのものを作りたいのか」も、製品選びの重要なポイントになります。
小型クラス|A1 miniは180×180×180mm
Bambu LabのA1 miniは、造形サイズが180×180×180mmの小型3Dプリンターです。Bambu Labの中でもコンパクトな造形サイズを持つ製品で、小さな立体物を作りたい人が検討しやすいサイズです。
小さめの立体物を作るのに向いたサイズ
Bambu Lab A1 miniの造形サイズ「180×180×180mm」は、幅・奥行き・高さのいずれも180mmまでなので、フィギュアや小物、カメラやPC周辺で使う小さなパーツなどを作る用途に向いています。
一方で、180mm角を超える部品を作りたい場合は、一体型として造形できません。作りたいものの大きさによっては、より大きな造形サイズを持つ製品を選ぶ必要があります。
3Dプリンターだから「何でも大きく作れる」というわけではない
3Dプリンターは、データさえ用意すれば何でも作れるように感じますが、実際には造形できる大きさに上限があります。
たとえばA1 miniは180×180×180mmなので、それを超える大きな部品は一度に造形できません。大きなものを作りたい場合は、分割して造形する方法もありますが、継ぎ目ができるなどの制約があります。
3Dプリンターなら「何でも作れる」と考えるのではなく、作りたいものが造形サイズに収まるかを購入前に確認することが大切です。
実際に180mm角でどのくらいのモノが作れるか?
A1 miniの180×180×180mmという造形サイズは、数字だけでは大きさをイメージしにくいかもしれません。
たとえば、手のひらに載るような小物やフィギュア、カメラやPC周辺で使う小さなパーツなどは造形しやすいサイズです。
一方で、長さのあるブラケットや大きなケースなどは、そのままでは収まりません。作りたいものの寸法を測り、造形サイズと照らし合わせて考えることが大切です。
中型クラス|256×256×256mm前後の製品が多い
Bambu Labでは、A1が256×256×256mmの造形サイズです。A1 miniより一回り大きく、Bambu Labの中では汎用的に使いやすい造形サイズであり、中型クラスに属する製品です。
A1 miniより一回り大きいサイズ的な余裕
Bambu Lab A1の造形サイズは256×256×256mmです。小型機のA1 miniの180×180×180mmと比べると、各方向に76mm大きくなります。
数字だけでは小さな差に感じますが、立体物では幅・奥行き・高さのすべてが広がるため、造形できる容積には大きな違いが出ます。
A1 miniでは不可能だったサイズの部品も、A1なら一体造形できる可能性が高くなります。
造形サイズ256mm角は、作れるもののサイズにも余裕が出る
造形サイズが256×256×256mmになると、A1 miniの180mm角では収まらなかった部品も造形しやすくなります。
たとえば、長さのあるブラケットやカメラリグのパーツ、PC周辺の部品など、少し大きめのものにも対応しやすくなります。
また、造形サイズに余裕があることで、パーツを無理に分割せず、一体で造形できる可能性も高くなります。強度を要する部品においては、この差が重要になります。
Bambu Labにはこのクラスの製品が複数ある
Bambu Labには、256×256×256mm前後の造形サイズを持つ製品が複数あります。
たとえばA1、P1S、P2Sはいずれも256×256×256mmで、X2Dは256×256×260mmです。
つまり、同じような造形サイズでも、製品によって構造や搭載されている機能は異なります。
ここで覚えておきたいのは、「造形サイズが同じだから、同じ製品」というわけではないことです。
この段階では、まず「どのくらいの大きさまで作れるのか」という造形サイズだけを見ておき、フィラメントやチャンバー、価格などの違いは別途確認すると整理しやすくなります。
大型クラス|300mmを超える造形サイズの製品もある
Bambu Labには、300mm角を超える造形サイズを持つ製品もあります。
大型クラスの例として、A2Lは330×320×325mm、H2Sは340×320×340mmの造形サイズです。
256mmクラスの中型機と比べると、幅・奥行き・高さのそれぞれで造形できる範囲が広がります。
300mmを超える造形サイズも存在する
たとえばA2Lは、330×320×325mm、H2Sは340×320×340mmです。A1やA1 miniと比べると、かなり大きな造形スペースを備えています。
このサイズになると、長さのある部品や大きめのパーツなども、分割せずに造形できる可能性が広がります。
大きなものを作りたい場合は、300mmを超える造形サイズを持つ大型クラスも選択肢になります。
中型機と大型機とは「制作物の大きさ=容積」がかなり変わる
中型クラスの256mm角から大型クラスの300mm超になると、各方向で数十mmの違いが生まれます。
3Dプリンターでは幅だけでなく、奥行きや高さも造形サイズに影響するため、この差が作れるものの大きさに直結します。
特に長さのあるブラケットやケースなどでは、数十mmの差によって一体で造形できるか、分割が必要になるかが変わることもあります。
作りたいものが大きいほど、造形サイズの確認が重要です。
長い部品や一体成型で作りたいものでは造形サイズ選びが重要
大きな部品を作りたい場合は、造形サイズがそのまま使える大きさの上限になります。
特にブラケットやケースなど、強度や形状の都合から分割せず一体で作りたい部品では、この違いが重要です。
造形サイズを超える場合は、複数のパーツに分けて造形する方法もあります。ただし、分割すると組み立てや接着などの工程が増えるため、可能であれば一体で造形できるサイズを選ぶほうがシンプルです。
造形サイズは「プリンター本体の大きさ」とは別
3Dプリンターの「180×180×180mm」といった造形サイズは、実際に造形できる範囲を示した数字です。
これは、プリンター本体の外形寸法や、設置に必要なスペースとは別に考える必要があります。
さらに、3Dプリンターには、造形ベッドを前後に動かす方式と、造形ベッドを大きく動かさずプリントヘッド側を動かす方式があります。
そのため、同じような造形サイズでも、設置するときに必要なスペースが同じとは限りません。
ベッドが動く「ベッドスリンガー式」
ベッドスリンガー式は、造形物を載せたベッドそのものが前後に動きながら造形する方式です。
Bambu Labでは、A1 miniやA1、A2Lがこのタイプに分類されます。
この方式は比較的シンプルな構造で、コンパクトに設計しやすいことがメリットのひとつです。
一方で、造形物を載せたベッドが前後に動くため、造形物が大きく重くなるほど、移動時の慣性や振動の影響を考慮する必要があります。また、プリンター本体の寸法だけでなく、ベッドが前後に動くための設置スペースも必要です。
机の奥や棚などに設置する場合は、ベッドが最大値まで動いたときに壁や周囲の物に干渉しないか確認することが重要です。
ベッドを大きく動かさない「CoreXY方式」
CoreXY方式では、造形ベッドを前後に大きく動かすのではなく、プリントヘッド側をXY方向に動かして造形します。
Bambu Labでは、P1SやP2S、H2Sなどが代表的な製品です。
造形物を載せたベッドを前後に動かさないため、大きな造形物を載せた状態でも、ベッドの移動による慣性を考える必要がありません。また、ベッドスリンガー式のように、ベッドが前後に動くためのスペースを確保する必要がない場合があります。
一方で、CoreXY方式でもプリントヘッドやフレームなどが動くため、周囲にまったくスペースが必要ないわけではありません。
ベッドスリンガー式とCoreXY方式のどちらが高精度なのかを、方式だけで決めることはできません。実際の造形品質は、機械構造だけでなく、フレームの剛性や制御、振動補正など、製品全体の設計によっても変わります。
同じ造形サイズでも設置スペースは違う
3Dプリンターを購入するときは、「造形サイズ」と「本体サイズ」を別々に確認することが大切です。さらに、ベッドが動くのか、プリントヘッド側が動くのかによって、実際に必要となる周囲のスペースも変わります。
そのため、設置場所を決めるときは、本体の寸法だけを確認するのではなく、造形中にどの部分がどの方向へ動くのかまで確認しておくと安心です。
まずは「自分が何mmのものを作りたいか」を考える
3Dプリンターを選ぶときは、価格や機能を見る前に「自分は何mmくらいのものを作りたいのか」を考えてみましょう。たとえば、スマートフォンスタンドや小さな小物、カメラ周辺のパーツなどであれば、小型のA1 miniでも造形できるものが多くあります。
一方、長さのあるカメラリグの部品やPCケースのパーツなどを作りたい場合は、180mmでは足りず、中型以上の造形サイズが必要になることがあります。
「いつか大きなものを作るかもしれない」と考えて、必要以上に大きな機種を選ぶ必要はありません。まずは自分が作りたいものの寸法を測り、造形サイズに収まるか確認することが、3Dプリンター選びの第一歩です。
まとめ
A1 miniで十分な人が、300mmクラスの高価な3Dプリンターを買う必要はありません。逆に、180mmでは作りたいものが入らない人がA1 miniを選ぶと、購入後に後悔する可能性が高くなります。
3Dプリンターは、製品によって一度に造形できるサイズが異なります。
Bambu Lab製品の場合、A1 miniの180mm角、A1などの256mm角、A2LやH2Sなど300mmを超える大型まで、さまざまな造形サイズが選択できます。
造形サイズが大きいほど、作れるものの選択肢は広がりますが、必要以上に大きな機種を選ぶ必要はありません。反対に、造形サイズが足りなければ、分割して造形するなどの手間が増えることもあります。
また、造形サイズだけでなく、プリンター本体の大きさや、ベッドやヘッドが動くために必要なスペースも確認する必要があります。
まずは「何を作りたいのか」「そのサイズは何mmなのか」を確認し、自分の用途に合った造形サイズを選ぶことが重要です。A1 miniは安価な導入コストで始められるメリットがありますが、用途によっては買い直すことになり、サイズ選びをミスると製品買い直しによる出費増加につながります。
記事
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