Lightroom Classicを快適に使うには、CPU・GPU・メモリの役割を理解し、普段の作業内容に合わせてパーツを選ぶことが重要です。
RAW現像や写真の書き出しではCPU性能が重要になり、AIノイズ除去ではGPUの処理性能が作業時間に影響します。メモリは32GBを基本構成として考え、SSDは1TBから始めて必要に応じて容量を増やす方法がおすすめです。
Adobeの推奨システム要件ではメモリ16GB以上が示されていますが、ヤドカリPCではLightroom Classicを中心に使うPCとして32GBを推奨します。16GBでも作業内容によっては十分に使えるため、最初から64GBを選ぶ必要はありません。
このブログ記事では、Lightroom Classicの処理性能を決めるパーツの役割と選び方を解説します。必要以上に高価な構成を避け、予算を無駄にしないPC選びに役立ててください。
Lightroom Classicの処理性能を決めるパーツ
Lightroom Classicでは、写真の読み込み、RAW現像、AIノイズ除去、書き出しなど、さまざまな処理を行います。それぞれの作業で重要になるパーツは異なります。
| 作業内容 | 重要なパーツ |
|---|---|
| RAW現像・写真補正 | CPU・GPU |
| スライダー操作や画像表示 | CPU・GPU |
| AIノイズ除去 | GPU・VRAM |
| AIマスクなどの処理 | GPU・CPU |
| 大量の写真の書き出し | CPU・GPU |
| 高画素RAWの編集 | CPU・メモリ |
| Lightroom ClassicとPhotoshopの併用 | メモリ・CPU・GPU |
| 写真データやカタログの保存 | SSD |
すべてのパーツを最上位にする必要はありません。一般的なRAW現像が中心ならCPUとメモリのバランスを重視し、AIノイズ除去を頻繁に使うならGPUにも予算を配分します。
メモリやSSDも、容量を増やせばよいというものではありません。普段の作業に必要な容量を確保し、実際に不足したときに増設することで、購入費用を抑えられます。
Lightroom Classicの処理性能を高めるCPUの選び方
CPUは、Lightroom Classicの画像処理や書き出しなど、さまざまな作業を支えるパーツです。
CPUの性能が高いほど処理時間を短縮できる場合がありますが、コア数が多ければすべての操作が速くなるわけではありません。
CPUが重要になるLightroom Classicの作業
CPU性能が影響する主な作業は次のとおりです。
- RAW画像の現像・補正
- 写真の読み込みやプレビュー生成
- 複数画像の書き出し
- CPUを利用する画像処理
- Lightroom Classicとほかのソフトの併用
大量の写真を取り込んでプレビューを生成したり、編集した写真をまとめて書き出したりする場合は、CPU性能が作業時間に影響します。
一方、AIノイズ除去などのGPUを活用する処理では、CPUだけを強化しても十分な高速化につながらない場合があります。CPUだけに予算を集中させず、GPUとのバランスを考えることが重要です。
Lightroom Classic用CPUはどのクラスを選ぶ?
一般的なRAW現像を中心に使うなら、ミドルクラスのCPUが有力な候補になります。
AMDのRyzen 5 9600Xは6コア12スレッド、Ryzen 7 9700Xは8コア16スレッドのCPUです。インテルでは、Core Ultra 5 245が14コア14スレッド、Core Ultra 7 265が20コア20スレッドに対応しています。
| CPUの候補 | コア数・スレッド数 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| AMD Ryzen 5 9600X | 6コア12スレッド | 一般的なRAW現像、写真補正 |
| Intel Core Ultra 5 245 | 14コア14スレッド | 一般的なRAW現像、写真補正 |
| AMD Ryzen 7 9700X | 8コア16スレッド | 大量の写真処理、書き出し、複数ソフトの併用 |
| Intel Core Ultra 7 265 | 20コア20スレッド | 大量の写真処理、書き出し、複数ソフトの併用 |
※CPUの候補は構成を検討するための例です。メーカーによってコアの設計が異なるため、コア数やスレッド数だけで処理性能を比較することはできません。購入時には最新の販売価格と同価格帯のCPUを比較してください。
一般的なRAW現像が中心なら、Ryzen 5やCore Ultra 5クラスが候補です。大量の写真を処理する機会が多い場合や、Lightroom ClassicとPhotoshopを併用する場合は、Ryzen 7やCore Ultra 7クラスも検討できます。
CPUはコア数と処理性能のバランスが重要
CPUを比較するときは、コア数だけでなく、1コアあたりの処理性能やクロック周波数も確認します。
| CPUの特性 | 注目したい作業 |
|---|---|
| 高いシングルコア性能 | 画像補正や操作時の応答性 |
| 高いマルチコア性能 | 並列処理に対応した書き出しなど |
| バランスのよい処理性能 | 日常的なRAW現像や複数の作業 |
CPUの性能差が実際の作業時間にどの程度影響するかは、Lightroom Classicの機能や処理内容によって異なります。
インテル製CPUはコア数だけで性能を判断せず、Core Ultra 5・Core Ultra 7などのクラスやシングルスレッド性能も比較しましょう。
最上位CPUに予算を集中させるよりも、ミドルクラスに抑えて、浮いた予算をGPUやメモリに配分するほうが、PC全体の性能をバランスよく高めやすくなります。
Lightroom Classicの処理性能を高めるGPUの選び方
GPUは、画像表示やGPUアクセラレーションに対応した画像処理を支えるパーツです。AIノイズ除去を利用する場合は、GPUの演算性能とVRAM容量が重要になります。
GPUが活躍するLightroom Classicの作業
GPUが関係する主な作業は次のとおりです。
- 現像モジュールでの画像表示や調整
- 高解像度モニターでの画像表示
- AIノイズ除去
- AIマスクなどの画像処理
- GPUアクセラレーションに対応した処理
すべての機能がGPUによって同じように高速化されるわけではありません。通常の写真補正が中心なのか、AIノイズ除去を頻繁に使うのかによって、GPUに必要な性能は変わります。
参考:Adobe公式|Lightroom ClassicのGPUアクセラレーションと必要システム構成
AIノイズ除去を使うならGPU性能を重視する
Lightroom ClassicのAIノイズ除去は、高感度撮影などで発生したノイズを軽減し、写真のディテールを維持しながら画質を改善する機能です。この処理ではGPUが重要な役割を果たします。
AIノイズ除去を頻繁に使う場合は、GPUの性能を高めることで処理時間の短縮が期待できます。
一方、AIノイズ除去をほとんど使わず、通常のRAW現像が中心なら、上位GPUに予算をかける必要性は低くなります。機能の使用頻度に合わせて予算を配分しましょう。
GPUはVRAM容量も確認する
VRAMは、GPUが画像データなどを処理するために使用する専用メモリです。Lightroom Classicでは、画像の解像度や使用する機能によって必要なVRAM容量が変わります。
| GPUの候補 | VRAM容量 | 選ぶ際のポイント |
|---|---|---|
| GeForce RTX 5060 | 8GB | 一般的なRAW現像や写真補正 |
| GeForce RTX 5060 Ti | 16GBモデル | AI処理とVRAM容量を重視 |
| GeForce RTX 5070 | 12GB | GPU性能と価格のバランスを重視 |
| GeForce RTX 5070 Ti | 16GB | AI処理を頻繁に利用する用途 |
※VRAM容量は購入する製品の仕様を確認してください。GeForce RTX 5060 Tiには、VRAM容量の異なるモデルがあります。
Adobeの推奨システム要件では、AI機能を含む完全なGPUアクセラレーションに、8GB以上の専用GPUメモリなどが示されています。ただし、推奨要件を満たすことと、すべての処理を快適に実行できることは別です。実際の処理速度にはGPU自体の演算性能も影響します。
プレビュー生成にもGPUを活用できる
Lightroom Classicは、バージョン14.5以降、GPUを使ったプレビュー生成に対応しています。
Adobe公式によると、「プレビュー生成にGPUを使用」を「自動」に設定した場合、GPUのVRAMが16GB以上で、フルアクセラレーションに標準対応していることが利用条件です。
この機能を活用したい場合は、VRAM 16GBを搭載するGeForce RTX 5060 TiやRTX 5070 Tiが候補になります。ただし、VRAMが16GBあれば必ず利用できるわけではなく、GPUの対応状況も確認が必要です。
VRAM 16GBは、Lightroom Classicのすべての作業に必要な容量という意味ではありません。一般的なRAW現像や写真補正が中心なら、用途と予算に合わせてGPUを選び、AI処理やGPUを使ったプレビュー生成を重視する場合に16GBモデルを検討しましょう。
Lightroom Classic用GPUは用途に合わせて選ぶ
| GPUの選び方 | 向いている使い方 |
|---|---|
| ミドルクラス | 通常のRAW現像や写真補正が中心 |
| VRAM 16GBクラス | AIノイズ除去やGPUを使ったプレビュー生成を重視 |
| 上位クラス | AIノイズ除去などGPUを活用する処理の高速化を重視 |
GPUのVRAM容量が大きければ、必ず処理速度が速くなるわけではありません。VRAMは画像データなどを処理するための作業領域であり、実際の処理時間にはGPUの演算性能も影響します。
AIノイズ除去を重視するならGPU全体の性能も比較し、通常のRAW現像が中心ならCPUやメモリにも予算を配分しましょう。
Lightroom Classic用メモリは32GBを推奨
Lightroom Classicでは、画像データやカタログ、プレビューなどを扱うためにメモリを使用します。メモリ容量が不足すると、PC全体の動作に影響することがあります。
AdobeのWindows向け推奨システム要件では、メモリは16GB以上です。これを踏まえ、ヤドカリPCではLightroom Classicを中心に使うPCとして32GBを推奨します。
16GBでも作業内容によっては十分に使えます。 Lightroom Classicを中心に使用し、Photoshopなどの重いソフトや大量のブラウザータブを同時に開かない運用なら、32GBが必須とは限りません。
メモリ容量の選び方
| メモリ容量 | 選び方の目安 |
|---|---|
| 16GB | 基本的な写真編集向け。マルチタスクを控えれば実用的な場合も多い |
| 32GB | Lightroom Classic特化型PCとしてヤドカリPCが推奨する構成 |
| 64GB | 大量の画像を扱うプロ向けや、複数の重いソフトを併用する用途 |
メモリ価格が高い場合でも、最初から64GBを選ぶ必要はありません。Lightroom Classicを中心に使うなら、32GBを確保したうえで、同時に起動するソフトを絞る方法がおすすめです。
Lightroom Classicで現像した写真をPhotoshopで仕上げる場合も、作業内容に応じてアプリケーションを切り替えれば、メモリの使用量を抑えやすくなります。
もちろん、32GBであらゆる作業に対応できるわけではありません。大きな画像を複数扱いながら重いアプリケーションを同時に使う場合は、実際のメモリ使用量を確認しましょう。
まずは32GBで構成し、不足が確認できた場合に増設を検討する方法なら、購入時に必要以上の費用をかけずに済みます。
メモリの規格や速度も確認する
メモリを選ぶ際は、容量だけでなく、CPUやマザーボードとの互換性も確認します。
| 確認ポイント | 選び方 |
|---|---|
| 規格 | PCとマザーボードに対応する規格を選ぶ |
| 容量 | 32GBを基本にする |
| 構成 | 16GB×2枚などの2枚構成を基本にする |
| 速度 | CPUとマザーボードの対応範囲で選ぶ |
DDR5対応のPCを選ぶ場合は、DDR5-5600をメモリ選びの基準にできます。ただし、対応速度はCPUやマザーボード、メモリの枚数・構成によって変わるため、購入するPCの仕様を確認してください。
Lightroom Classic用PCでは、まず必要な容量を確保することが重要です。メモリ不足が起きている環境では、速度を細かく追い込むより、容量を確保するほうが効果的です。
Lightroom Classic用SSDは1TBを基本にする
SSDは、WindowsやLightroom Classicの起動だけでなく、写真データやカタログ、プレビューなどの保存にも関係します。
写真を大量に扱う場合は容量が重要ですが、最初から2TBのSSDを購入しなければならないわけではありません。
SSDはPCIe Gen3以上のNVMe SSDを選ぶ
Lightroom Classic用PCでは、PCIe Gen3以上に対応するNVMe SSDが有力な候補です。
| SSDの規格 | 読み込み速度の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| SATA SSD | 約500~550MB/s | 基本的なファイル保存に対応 |
| PCIe Gen3 NVMe | 約3,000~3,500MB/s | 写真やカタログの読み書きに十分な性能 |
| PCIe Gen4 NVMe | 約5,000~7,400MB/s | 速度と価格のバランスがよい |
| PCIe Gen5 NVMe | 約10,000~14,000MB/s | 大容量データの高速転送に強い |
※速度は規格や製品の代表的な公称値を参考にした目安です。実際の速度はSSDのモデルや容量などによって異なります。
Lightroom Classic用PCでは、Gen5 SSDの最大速度を追いかける必要性は高くありません。Gen3以上を基本にして、容量と価格のバランスを重視しましょう。
Adobeも、カタログ・画像ファイル・プレビューをSSDに保存することや、十分な空き容量を確保することを推奨しています。
参考:Adobe公式|Lightroom Classicのパフォーマンスを最適化する
SSDは1TBで始め、必要に応じて容量を増やす
SSDの容量は、起動ドライブ1TBを基本に考えます。Windowsやアプリケーションに加えて、写真データやカタログも保存できる構成です。
ただし、撮影枚数が多い場合やRAWデータを長期間保存する場合は、1TBでは容量が不足する可能性があります。容量を増やす方法は、購入時に2TBへ変更する方法と、後から別のSSDを追加する方法があります。
| 選び方 | メリット | 向いているケース |
|---|---|---|
| 購入時に2TBにする | 最初から保存容量に余裕を持てる | RAWデータをPC本体に多く保存する |
| 1TBから始めて後から追加 | 初期費用を抑えられる | 写真データの保存量がまだ少ない |
購入時の1TBと2TBの価格差が小さければ、2TBを選ぶと容量管理が簡単です。一方、初期費用を抑えたい場合は1TBで始め、容量が不足した段階で追加する方法もあります。
後からSSDを追加する場合は、マザーボードに空きM.2スロットがあるか、追加するSSDの規格に対応しているかを確認しましょう。
例えば、次のように保存先を分けられます。
| ドライブ | 主な用途 |
|---|---|
| Cドライブ(1TB) | Windows、Lightroom Classic、その他のアプリケーション |
| Dドライブ(追加1TB) | RAW画像、書き出した写真、過去の撮影データ |
SSDを追加すれば写真データの保存場所を分けられますが、バックアップの代わりにはなりません。大切な写真データは、外付けドライブやNASなどにも別途バックアップを取りましょう。
Lightroom Classic用PCではどのパーツを優先する?
パーツごとの役割を踏まえ、普段の作業内容に合わせて予算を配分しましょう。
| 重視する作業 | 優先したいパーツ | 構成の考え方 |
|---|---|---|
| 一般的なRAW現像 | CPU・メモリ | ミドルクラスCPUとメモリ32GBを基本にする |
| 高画素RAWの現像 | CPU・メモリ | CPU性能を確保し、メモリ32GBを目安にする |
| AIノイズ除去 | GPU・VRAM | GPUの演算性能とVRAM容量を重視する |
| 大量の写真の書き出し | CPU・GPU | 処理内容に応じた性能を確保する |
| Photoshopとの併用 | メモリ・CPU・GPU | 32GBを基本に、同時起動するソフトを管理する |
| 写真データの保存 | SSD | 1TBを基本に、必要なら2TBや追加SSDを検討する |
一般的なRAW現像が中心なら、CPUとメモリのバランスを重視します。AIノイズ除去を頻繁に使うなら、GPUの性能とVRAM容量を優先しましょう。
メモリは32GBを基本にすれば、最初から64GBに予算をかけずに済みます。16GBでも作業内容によっては十分に使えるため、使用するソフトや作業量に合わせて判断することが大切です。
SSDは1TBから始め、購入時に2TBへ変更するか、容量が不足してから追加するかを選べます。
すべてのパーツを最上位にするのではなく、必要な性能を確保してから追加投資を判断することが、無駄のないPC選びにつながります。
まとめ
Lightroom Classic用PCは、CPU・GPU・メモリ・SSDのバランスが重要です。
CPUは処理性能とコア数、GPUは演算性能とVRAM容量を確認しましょう。AIノイズ除去やGPUを使ったプレビュー生成を重視するなら、VRAM 16GBクラスも候補になります。
メモリは、Adobeの推奨要件である16GB以上を踏まえ、ヤドカリPCでは32GBを推奨します。16GBでも作業内容によっては十分に使えるため、64GBはメモリ不足が想定されるプロ向けの選択肢です。
SSDは1TBを基本にして、写真データの保存量に応じて2TBへの変更や追加SSDを検討しましょう。
最上位パーツに予算を集中させず、普段の作業内容に合わせて配分することが、無駄のないPC選びにつながります。
